社長インタビュー |
株式会社ヤマノフェイシャルガーデン
株式会社スイートコンセプションズ
両代表取締役
ウノ シュージ氏
アロマテラピーとカフェギャラリーを組み合わせた、人間の五感に訴えかけることをコンセプトにしたお店を運営。
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起業家列伝 第10回
業界初のクレンジングに特化し、わずか5坪の広さでオープンできる新業態エステ、カフェやギャラリーを併設した5感を刺激するライフスタイル提案型アロマセラピーショップを生み出すなど、美容業界の風雲児ウノシュージ氏の創業の原点を探る
大学中退後、フリーのメイクアップ講師として起業。1998年、株式会社スイートコンセプションズを創業しアロマセラピーサロン事業を展開。2005年にはヤマノグループの出資によりクラブヤマノフェイシャルガーデンを設立。同社にてカジュアルエステブランドやプライベートラグジャリーサロンなどを展開をするウノシュージ氏に、着想の原点について伺った。
通読の目安: 15~20分程度
はじめに
---------- 本日はお忙しい中、お時間をいただきましてありがとうございます。今日は、大きく3点についてお伺いしたいと思います。まずはクラブヤマノフェイシャルガーデンの立ち上げについて、次に立ち上げ後の苦労話について、そして最後に、今後の展開についてです。

フリーの企画家から美容業界へ
---------- クラブヤマノフェイシャルガーデン設立前は何をされていたんですか?
ウノ シュージ社長:
僕はフリーの企画家だったのです。
店舗としては、大阪の方で、アロマテラピーとカフェギャラリーを組み合わせた、人間の五感に訴えかけることをコンセプトにしたお店を運営しておりまして、イベントを数多く開催していたのです。
そのイベントにギャラリーで紹介している作家さん達もどんどん出てきてもらいたいという思いがあって、店舗を飛び出して外でもイベントをやるようになっていったんです。
淡路島と神戸で大々的にやることになって、企業のスポンサーとかマスコミ関係にバックアップをお願いしたりして、大規模なものからいろいろな方々のイベントを手がけるようにもなってきまして、ショッピングモールなどの販促企画をやらせてもらえるようになっていったんです。
---------- 美容の業界に入って来たのはいつ頃なのですか?
大学中退後2年間くらいサラリーマンしたのですが、母が化粧品の代理店をしていたので、美容関係で何かできないかと、シュウウエムラの美容学校の夜間に通ってメイクの勉強を始め、昼は勉強したことを実践して、美容室などにメイクを教えるというようなことをしていました。
---------- 美容講師や企画家みたいなところから現在の仕事になっていったきっかけはなんですか?
企画家みたいな仕事はやって本当に愉しいんですが、何しろ安定しないんです。めちゃくちゃ儲かっている時もあれば、まったく儲かっていない時もある。
やっぱり腰をすえてしっかり会社をやりたいなと思うようになりました。とはいえ個人でやれる範囲というのは限られているので、自分たちの作ったエステというのはこれだ!というのをエステ業界に訴えかけたいなと思い、ヤマノの会長に直談判しまして、2年くらいかけて出資していただけることになりました。
それだけでなく、自分でも他のルートからの出資を募るなどして、6年前に今のクラブヤマノフェイシャルガーデンが設立されました。
---------- ヤマノのルートはやはりお母様が代理店をしていたからでしょうか。
そうです。ヤマノのコンセプトは割りと年齢層が高くて、僕らなんかまっとうに行ったら相手にされないと思いました。
ところが、山野幹夫会長は僕らと同じ世代だからか、同じ思いを持っていて、もっと20代30代向けのエステサロンをやりたいと思っていたんですね。
それで意気投合しまして、山野が会長、僕が社長という形で発足したのです。
業界の既成概念を壊した先
---------- 20代、30代に受けるエステサロンとはどういうもので、今までのエステがその世代に受け入れられなかったのはなぜでしょうか?
今までのエステサロンとは、3000円くらいのトライアルで集客して、トライアルに来たお客様にクロージングをかけ、何十万何百万のローンを組ませて、それを消化させていくというとても胡散臭い業界だったのです。
ですから、美容室やカフェにいくような感覚で通えるエステティックサロンを作りたいと思うようになりました。
---------- これは一時ニュースになって、結局規制されることになりましたよね。
この仕組を採用していた大手各社さんは軒並み業績が悪化しました。僕らにとってはようやく当たり前の環境になってきたのです。
---------- なるほど。エステティック・サロン(ヴァカンス)の誕生について教えてください。
ヴァカンスはヤマノフェイシャルガーデン設立時に、大阪の心斎橋筋の雑居ビルの2階でスタートしました。
当時は15分1890円で4コースというスタイルで、今とは違ってフェイススパという業態で、早くて安いを売りにして、遊びに行く前にちょっとよってもらえる業態を目指していました。
---------- 現在はクレンジングに特化した業態づくりをされていますよね?
フェイススパはまったく集客出来なかったのです。早くて安いというだけではお客様を呼べないなということがわかりまして、業態変更することにしたんです。
当時は、事務所も別に構えていましたが、店舗に統合しまして、ある時朝礼の際に、スタッフにホットペッパーを持ってこさせたんです。
今と違って当時のホットペッパーはものすごく分厚くて。スタッフに個人的にどれを受けたことがあるのか聞いてみたのです。すると毛穴の洗浄のところで、3人中2人が、「あ、これ」と。
これかぁ、と思いまして、これならできるなと。それでクレンジングに特化した、ディープクレンジングサロンへ業態を転換したのです。
---------- 狙い通りであったと。
看板を変えたとたんに、お客様がどっと押し寄せて来ましたね。
---------- 面白いマーケティングですね。ニーズはそこだったんですね。
クレンジング専門店なんて当時なかったですからね。日本初登場と言えるじゃないですか。資金もなかったので、「日本初登場」一点押しで集客しました。
専門特化
---------- きっかけはあったにせよ、クレンジング専門店のアイデアは思いつきなんですか?
最初に立ち上げたフェイススパは15分で化粧を仕上げるので、メニュー開発のときに、クレンジングにものすごく時間をとったんです。
そこで開発したノウハウを集中的に押すことで、狙い通りお客様の反応がとれたということなんですよね。
---------- 専門特化することで何かメリットはありましたか。
今の時代、なんでもできる、というのは逆に怪しいな、というのがありまして、フェイシャル専門店と一言で言っても、特化しているようで実はしていないんですよね。
その中で何に特化しているのかを伝えたことで、目的をもったお客様に対して差別化ができたと思うんです。
---------- 当初目指して20代、30代のお客様の反応はいかがでしたか?
場所によって様々ですが、平均年齢は20代後半から30代前半の方に多くご利用いただけています。
それ以上のかたももちろんいますが、平均するとそのくらいになります。

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カフェのように気軽に
---------- メイクはどうするんですか?
メニューはクレンジングに特化しているので、メイクブースを用意しています。クレンジングが終わったお客様は自分でメイクしてお出かけになられます。
---------- オペレーションは随分簡単になりましたね。
そうなんです。僕はやはり男なので、直接施術するわけにはいきませんから、どうしてもスタッフに頼らざるをえない部分が多い。しかしながら、だからこそ色々なノウハウを蓄積することが出来ましたし、オペレーションやメニューの内容に関しましてもブラッシュアップすることが出来ました。
---------- カフェのように利用していただきたいという思いは達成できましたか?
カフェと組み合わせている業態は、もう一つの会社スイートコンセプションズで展開しているスイートという業態なのですが、ヴァカンスにおいても、「気軽に立ち寄ってもらいたい」という意味では達成できたと思います。
ヴァカンスは、2年ほど前から真似をする強豪が出てきたのをきっかけに、クレンジングサロンからエステティックフォーシーズンズというより進化させた業態を開発しました。
フォーシーズンズは名前のとおり、季節にわせてフェイシャルメニューを変える業態です。
ニーズに応えられるブランドラインナップ
---------- 現在展開するブランドについて教えてください。
スイートとヴァカンスはそもそも運営母体が違います。スイートは従来個人でやってきていたギャラリーカフェの延長線上にあり、株式会社スイートコンセプションズで運営しており、ヴァカンスはクラブヤマノフェイシャルガーデンで運営しています。
スイートについてはまだ2店舗で、こちらはアロマセラピー、カフェ、ギャラリーというように、狭める感じと言うよりは、世界観にこだわったブランドという点で、ヴァカンスとは方向性が全く逆です。
それとこの他には、おけいこみたいに通えるエステのFACE+、プライベートラグジュアリーサロン&スパのKO・HA・KUというブランドも展開しています。
もっとも多く展開していて取り組みやすいのは、やはりクレンジング専門店のヴァカンスです。
オーナー様の求めていらっしゃるニーズに応えられる業態を展開しています。
---------- それぞれ特徴を教えていただけますか?
スイートに関しては、アロマテラピーがメインでありながらギャラリーやカフェがあることで、エステだけでなく、ライフスタイルそのものを提案していける業態です。
ヴァカンスに関しては、省スペースでコンパクトで気軽に立ち寄れるカジュアルなモデルです。
FACE+は国内はもとより、海外展開をしている業態なので、割りと資本が必要です。ただ定額制エステの特性上、顧客をつかめば積み上げ式で収益的には安定しやすい業態です。
KO・HA・KUは高級スパ業態なので、より法人向けです。
弱点を補うという発想
---------- スイートは現在カフェをやっていらっしゃる方に向いているようですね。
そうですね。もともとカフェがスタートだったということもありますが、カフェの弱点って客単価が低いということで、エステの弱点は気軽に入れない、ということでした。2つのいいとこ取りをしたのがスイートなんです。
---------- 期待通りの効果は見込めたわけですね。
そうです。先日オープンした練馬のスイートは、オーナー様がカフェをやりたくて、娘さんがエステのライセンスをもっていたので、併設したんです。
カフェの方はやはり気軽に来店いただけるので、そこからエステのお客さんがどんどん集客できています。
こないだ契約していただいた方も、女性オーナーがもともとエステをやっておりまして、お嬢様がカフェをやりたいということで現在お店を探しています。
---------- そういう家族は実際多いですよね。
そうなんです。とても家族向きな業態なので、コンビニやるよりスイートの方がいいんじゃないかと(笑)
---------- ヴァカンスはどういう方が契約されますか?
ほとんど大手の企業様が多いです。僕らは直営で百貨店に出店していきましたが、契約される企業様の中には、ドラッグストアさんがいたり、スーパーさんがいたり、そういうパターンが多いです。
小売店さんの弱点というのは、いくら大手であっても、他で売っているのと同じものを売っているということなんです。
その中で自社のブランドをどういう風に打ち出すかというときに、エステというのは参入しやすそうで実はそうでないので、ヴァカンスを導入されるケースが増えています。
FACE+も同様です。海外の店舗は、ディベロッパーが多いですね。
---------- 海外では日本のエステは人気なんですか?
すごく人気があります。日本人ならではのきめ細やかさ、サービスレベルのあたり前の高さが向こうではありえないですから。
エステティックは、手が顔に直接触れるサービス業なので、感情が伝わりやすいのです。なので、日本人のおもてなしの心とか、得意とするきめ細やかな心遣いというのは、ものすごく歓迎されます。
---------- 展開のイメージとしてはカジュアルブランドのスイートとヴァカンスでということですね。
そうですね。KO・HA・KUなんかは、壁に琥珀を埋め込みますから、それはものすごい投資がかかりますので、気合入れて取り組んでいただかないといけません。
施術室がドーム型になっていて壁から天井から一面琥珀ですから、ものすごいパワーを感じます。
施術者は毎日その空間にいるだけで、基礎体温が上がってパワーみなぎってしまっていますから。

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エステ界のスターバックス目指して
---------- 既存業態の弱点を補う形でスイートやヴァカンスが生まれてきていますが、実際にやってみて想定と違ったことはありますか?
店舗のスタッフが20代で、本部スタッフが30代で皆女性なのです。そのくらいの年齢の女性って、やっぱり結婚するじゃないですか。だから長く勤務してもらうことが物理的に難しいですね。
苦労をしているわけではないのですが、マネジメント上は難しいところですね。
また、スタッフのモチベーション次第で売上が上下するので、しっかりと軸をもってコミュニケーションすることを心がけています。
---------- スタッフとのコミュニケーションは頻繁に行なっているのですか?
かなりしています。個人面談以外にも定期的な勉強会や会議、店長ミーティングなど、自分のメッセージはちゃんと時間を割いて伝えるようにしています。
---------- 理想とする会社像はありますか?
アメリカのスターバックスです。スターバックス成功物語を29歳の時に読みまして、線を引いてボロボロになるまで読みまし、結局3冊買い換えました。
自分のちょっとした思いをものすごく大きく成長させるんですね。クラブヤマノフェイシャルガーデンを立ち上げるときは、ものすごく影響を受けていました。
---------- スタッフはクルー(仲間)という感覚ですね。
この業界は、実績やスキルを重視して採用されるところが多いんですが、うちの場合は、笑顔がおもいっきり魅力的だとか素直に物事を受け止められるかを重視して採用します。
なので、出戻りもありますし、辞めた子達もヴァカンスが一番楽しかったと言ってもらえるようになりました。
事業スタート時期というのは、いつ潰れてもおかしくない状態だったですが、面接した時に、その人が幸せになりそうか、不幸になりそうかというのを、徹底的に見て、幸せになりそうな人ばかりを採用しました。
パッと見て幸せになりそうだなと思ったら、僕は質問なんてしません。一方的に自分の思いをプレゼンしていました。それで、どう?入りたい?と聞いて、はい是非、となったら即採用で、握手してよろしくなんです(笑)。
---------- 東京の1号店はどこに出店されたんですか?
プランタン銀座です。今もあります。大阪から東京へ移転してきたんですが、大阪と較べて東京は圧倒的に人が多い、それディベロッパーの動きがとても早いです。
東京に来てアドバイスされたのは、奇を衒ったような仕事ではなく、当たり前のことを当たり前以上にするようにしないと見破られるよと。まったくそのとおりですね。
---------- 今後の展開についてお伺い出来ますか。
2年以内にブランドこだわりなく、200店舗くらいにしたいですね。今のちょうど10倍くらいです。
ところで、出店というのは今までもしてきているんですが、増えるときは一気に増えるんです。一回止まるとなかなか増えない。
ただ、この停滞期というのがとても重要で、そのまま出店し続けてしまうと倒産してしまうギリギリのラインだと思うんです。今ちゃんと中のこと見ないといけないよ、という。
実はこの1年は国内はほとんど出店していないんです。創業2年目というのは毎月出店という勢いだったんですが、そのままいってしまうと絶対潰れてしまっていたなと思います。
で、この一年間何をやっていたかというと、組織のレベルアップと躍動感の醸成をしていました。まさに自己鍛錬の時期でした。
---------- まさにこれからということですね。200店舗の根拠はなんですか?
200店舗というのが昔からマイルストンであるのですが、200というのが、俺こんなブランド展開しているんだぜ、って単なる自己満足ではなく、良い悪いに関わらず世間一般に認知された状態だと考えているんです。
---------- びっくりしたんですが、店舗展開をしている様々な社長にお聞きした時に、200店舗と躍動感(ノリ)というキーワードが共通で出てきました。
勢いが重要なんです。いくら綿密な計画を立てた所で、勢いがないと何も進まないんです。
僕は創業の時から、ブログ(http://blog.livedoor.jp/unoshuji/)をずっとつけているんですが、創業の頃のボロッボロの状態から今まで、すべて公開しているので、僕の性格から何からすべて知り尽くした上で加盟してくださるオーナー様がいて、とても絆が生まれやすい環境があります。
---------- 今後どういった方と一緒にやって行きたいですか。
誠実な人であればどなたでもけっこうです。
---------- 本日は、クレンジング専門店ヴァカンス、おけいこみたいに通えるエステFACE+、プライベートラグジュアリーサロン&スパKO・HA・KUを展開する「株式会社ヤマノフェイシャルガーデン」、女性専用アロマセラピーサロン SUITE(スイート)を展開する「株式会社スイートコンセプションズ」創業者ウノシュージ氏にお話しをいただきました。
ウノさん、お忙しい中お時間を頂戴し、また、貴重なお話を頂戴しましてありがとうございました。
企業データ&プロフィール |

事業の多角化、美容ビジネス参入など様々な業種とコラボレーションが可能です。
【企業データ】
会社名 | 株式会社ヤマノフェイシャルガーデン |
|---|---|
本社所在地 | 東京都渋谷区代々木1-30-7ヤマノ24ビル |
設立年月日 | 2005年 |
事業内容 | エステティックサロンの経営及びフランチャイズ事業化粧品の企画・製造・販売事業エステティシャン派遣事業 http://www.cyfg.net/ |
【プロフィール】
(株)クラブヤマノフェイシャルガーデン
(株)スイートコンセプションズ
代表取締役 ウノ シュージ 氏
1969年、大阪生まれ九州産業大学中退後、フリーのメイクアップ講師として起業。1998年、株式会社スイートコンセプションズを創業しアロマセラピーサロンやスクール、ハーブカフェ事業を展開。また同社にてショッピングモールや各種業界の販売促進事業、地域活性化事業をプロデュース。2005年、ヤマノグループの出資により、現クラブヤマノフェイシャルガーデンを設立。代表取締役社長に就任。同社にてクレンジング専門サロンVACANCES、定額制エステティックFACE+byyamano、プライベートラグジュアリーサロン&スパKOHAKU等をチェーン展開。2008年、フランチャイズと人材派遣業を組み合わせたブランドパッケージ事業を展開。2009年、同社エステティックサロン海外1号店(シンガポール)を出店。同年、化粧品一般流通業界に進出。






